TRIVIA & EXAMPLE豆知識・事例

【建設現場での事例】生産性の高い大工さんのその理由

東京で経営コンサルティング会社に勤めているとき、九州の会社さんからご依頼をいただきました。

それは、「ウチの現場でお願いしている大工さんですごい人が居る。その人の仕事の内容を観察してその秘密を調べて欲しい」という話でした。

どんな部分がすごいのか、いつもその大工さんを担当している現場監督さんに聞くと、

1.まず仕事が速い。納期に遅れない

2.検査をしても手直しがほぼ無い

3.お客さんが現場に来ても嫌な顔をせず作業の手を止めて一生懸命対応してくれる

4.現場周辺がいつもきれいで近隣の評判がとても良い

5.監督に代わっていろいろな職人さんの間に入り調整し、指示までしてくれる

6.営業マンに家を建てる人を紹介してくれる

という、まさに現場で働く職人さんとしては理想的である。ということでした。

早速、3日間、その職人さんお働く現場に張り付いて作業の内容などのデーターをとり、分析をしました。その後、その職人さんにお話しを聞く時間をいただき、インタビューしました。

他の職人さんも同様にデーターを取らせていただき、比較しました。

大きく違ったのは2つ。

一つは「主体作業時間」の割合が優秀な方でも作業時間全体の4割が良いところなのに、この方は8割もありました。

もう一つは「段取り」の時間をまとめて取っていたのと「清掃」の時間が細かくて回収が多い。一つの作業を終えるとその都度清掃していた。

でした。

この二つが理想的な職人さんの現場での秘密であろう。と思いましたが、一番の疑問点は、なぜそこまで一生懸命自分の守備範囲外のことまでしているのか?でした。

インタビューの時、なぜここまで一生懸命されるのか?聞いてみました。するとその答えは

「ボクには娘がいます。ボクと違って勉強ができる。今、中学生だけど〇〇大学に行きたい。と言っています。」

「でもその時のボクは娘をその大学まで進学させるほど給料がありませんでした。」

「そこで、どうやったら稼げるか?考えたのがこの作業の仕方です。」

「まず。請負の仕事なので数をこなさないと稼げません」

「いくら速く作業を終えても手直しがあれば振出しに戻ってしまう」

「だから手直しが起こらない様に現場をきれいにしてすべてがを判りやすくしました。養生もしっかりやります。」

「でもお客様や近隣の方々からクレームが入ったら現場は止まります。そうならないように皆さんと仲良くなるよう対応しています」

「そして監督や一緒に働く他の業種の方と仲良くならないといけません」

「営業の方から指名を貰わないと仕事は続きません。だから営業の方にお客様を紹介しています」

でした。まさに娘さんを大学に行かせたい。という一心が生んだ成果だったのです。

全国のいろいろな地域で職人さんのデータも撮ってみましたが、この方以上の人材には会ったことは無かったです。